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物価高でも据え置きの方針固まる 来年度の年金受給額の見通し
年金受給額が消費者物価高騰でもスライドせず?厚生労働省は21年度の公的年金の受給額を「据え置く」方針を固めたことで波紋が広がっている。公的年金は、原則毎年1月に前年平均の消費者物価指数(生鮮食料品含む)をにらみ、4月からの受給額を決定する。本年度は前年水準を上回っているので来年度は物価上昇に合わせ年金額も増額になるはず、であった。ところが現状の仕組みではそのまま増額には結びつかない2つの理由がある。
その一つは過去に据え置いた分の解消である。2000年から02年度の3年間物価の下落に伴って年金額を減らすべきところを特例で維持した経緯がある。その物価下落分は累積分で1.7%。この分は物価上昇時に相殺することが決まっているが、昨年までのデフレでまだ相殺ができていないし、今年の上昇分も過去の相殺分に回ってしまう。
2つめは04年に導入されたマクロ経済スライドという「調整弁」の存在である。これは年金財政の悪化を防ぐため、物価の伸びよりも年金額の増額を抑える仕組みである。来年度の年金額が増えるためには、今年の消費者物価が過去の特例分(1.7%)とマクロ経済スライドの一定率(0.9%)を合わせた2%台半ばを超える上昇となる条件が必要となる。
まさに「イタチごっこ」の様相で、与党内にも異論が出ているが、衆院選の結果がカギとみられる。
■税務会計
外国人留学生のアルバイト代に注意 出身国によって違う源泉の取扱い
外国人留学生をアルバイトとして雇っている企業が増えているが、こうした外国から来た大学生をアルバイトとして雇った場合は、わが国が締結した租税条約よって、免税とされる給付の範囲等が国によって違うので、所得税の取扱いには注意が必要となる。
例えば、中国から来た大学生の場合は、専ら教育を受けるために日本に滞在する学生で、現に中国の居住者である者またはその滞在の直前に中国の居住者であった者が、その生計や教育のために受け取る給付または所得は、日中租税協定において免税とされる。だから、中国から来た大学生の日本での生活費や学費に充てる程度のアルバイト代であれば、免税とされる。
一方、インドから来た大学生の場合も、同様に免税とされるが、日印租税条約においては、日本の国外から支払われるものに限られている。したがって、インドから来た学生が受け取る日本でのアルバイトによる所得は、国外から支払われるものではないので、免税とはされないことになる。
インドから来た大学生に支払う給与等については、その大学生が居住者か非居住者かの判定を行った上で、それぞれの区分に応じた源泉徴収を行うことになる。
このように、わが国の締結した租税条約の学生条項は、免税とされる給付の範囲等が国によって様々であることから、各国との租税条約の内容を確認する必要がある。
■今週のキーワード
マクロ経済スライド
現役世代の減少(年金加入者減少率0.6%)と平均余命の伸び(0.3%)を勘案して出した「一定率」(0.9%程度)を物価から差し引いた分しか年金額を増やさないという仕組み。過去の累積分1.7%を解消した後マクロ経済スライドが発動されると、物価の伸び率から0.9%程度を差し引く。例えば物価が1%上昇すると年金額増加率は0.1%、0.5%の物価上昇では「0.5−0.9=▼0.4%」(据え置き)となる。民間の経済研究所は今年の消費者物価上昇率は2%弱と予想している。
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